バイノーラルビートの大家:ヘミシンク
脳内アップデートの根幹を成す技術として使われている『バイノーラルビート』ですが、これは元々アメリカの音響技術者が発見したものです。
その音響技術者は、左右のイヤホン・ヘッドホンから異なる周波数を発した場合、その差分となる音が脳内で再生される、というメカニズムを発見しました。
例えば、右耳から20Hz、左耳から22Hzの音を入力する(聴かせる)と、その差分である2Hzの音が、脳内で仮想的に再生される訳です。
信じられないかもしれませんが、これは脳内アップデートの体験版を聴いてもらえばすぐ体感できることなのでこれ以上はここでは説明しません。
で。
その仮想の音に、脳波が誘導されていきます。
これ、実は画期的な話です。というのも、人間の耳って、2Hzなんて低音は聞けないんです、器官の性質上。
またもっと狙った周波数をピンポイントで生じさせることも出来ます。
アルファ波領域などにフォーカスすれば、リラックスしつつ集中する、いわゆるフロー状態の再現も難のないことです。
これが『ヘミシンク』です。
Hemy-sync、両脳の協調などと言ったりもします。
ヘミシンクと脳内アップデート
脳内アップデートの技術がヘミシンクの技術をベースにしていることは既に述べました。もちろん、サウンドクリエイターの松嶋和宏氏が「創った」音源なので、そこいらに転がっているセンスのない気味の悪いヘミシンク音源とは一線を画する「聞き心地」になっているのは、言うまでもありません。
さて、ヘミシンクについて、ちょっとサンプルを挙げましょう。
参考になる音楽(ヘミシンクCDのうち、音楽とミックスしてあるタイプのものです)があるので、一度試聴してみて下さい(新しいウィンドウが開きます)。
上の音楽は、「アインシュタインの夢」というタイトルがついたヘミシンクCDで、集中力向上などの効果が謳われています。初期の製品であるため、ヘミシンク音と呼ばれる特殊音が聞き取りやすい(逆に言えば耳障りなんですが)のも特徴です。もちろん私は持っていますが、効果は十分にあります。しかし割と短いフレーズの曲のリフレインなのは、イラつきを覚えます(苦笑)。
「アインシュタインの夢」サンプル音源を、よーく耳をそばだてて聴いてもらうと分かるんですが、音楽の背後に、明らかに「低音の波音」が混ざっているのが分かります。
今の新しい製品ではうまく音楽に隠されているんですが、初期の作品であるが故に分かりやすい「ヘミシンク音」です。
脳内アップデートでは
それでは、脳内アップデートでは、この技術(バイノーラルビート)をどう使っているのでしょう。
実際にまずサンプル音源を聴いてもらえば早い、とは思いますがもう少しこのページにお付き合い願いましょう。
脳内アップデートの音源は、主に4つのパートに分けられます。
- 冒頭部の一気集中部
- 転調
- 次第にゆっくりと
- 延々長い集中維持パート
この4パートが、絶妙なのです。
まず最初のパートで、一気に「集中するぞモード」に持って行かれます。
次のパートで、高められすぎたテンションを落ち着けます。
更に次で、集中作業に適した心拍・テンションに誘導し、
そこからは50分以上、一定のリズムのビートが続きます。
音源としては1時間少々。
リフレインして聴いていても飽きない(飽きにくい)作りになっているため、3時間の集中作業に利用する、なんてことも出来たりするわけです。